結核菌が悪さする?!脊椎カリエスについて知ろう!

コラム 腰痛

脊椎カリエス

脊椎に結核菌が感染して、息をすることも出来ないほどの激痛に見舞われる感染症が「脊椎カリエス」です。 「カリエス」とは「骨が腐る」という意味であり、結核性という意味は無いのですが、骨に感染し組織を破壊する菌の代表的な存在として結核菌があるため、結核性脊椎炎のことを一般的に「脊椎カリエス」と呼びます。

脊椎カリエスは胸椎や腰椎に発症するケースが多く全体の半数を占めると言われています。またこの病気は、明治時代の詩人正岡子規がかかり、命を落としたことでも有名です。 肺結核は戦後、医学の発展によって効力の高い抗結核剤が開発されたことで撲滅したと考えられていましたが、1998年頃から日本国内で再び患者数が増加傾向をみせ、院内感染が報告されるなどの事例もあり、1999年には当時の厚生省から緊急事態宣言が出され再流行が懸念されています。

脊椎カリエスの原因

脊椎カリエスは結核性脊椎炎の総称ですから、その原因は結核菌です。結核菌は感染力が強く、肺結核や脊椎カリエスはかつて「亡国の病」とさえ呼ばれていた病気です。結核菌の感染経路は「空気感染」「飛沫感染」「接触感染」になりますので、咳が出る場合はマスクをして、うがいと手洗いを励行し、感染症の予防を行なうことが重要となります。

脊椎カリエスの症状

脊椎カリエスには以下のような特徴的な症状があります。

  • 倦怠感が強く食欲が無い
  • 腰椎や胸椎を中心にコリや鈍痛があり、違和感を感じる
  • 動いたり呼吸をした時に背中や腰に痛みを感じる

また症状が進むと触っただけで分かる程膿みが溜まりそれが神経を圧迫して激しい痛みを覚えます。特に腰椎に出来るカリエスの場合、下半身が麻痺したり排尿障害を起こすようになります。

脊椎カリエスの対策

脊椎カリエスにかかると椎間板にも障害が出て、初期の状態では椎間板が薄くなる変形性腰椎症と同様の症状を来します。椎間板の状態はレントゲンですぐに確認することが可能です。したがって腰が痛いと感じた時にはまずは整形外科を受診して腰椎や腰椎椎間板の状態を画像診断で確認することが最も重要な対策となります。

画像診断や血液検査の結果脊椎カリエスと診断された場合、感染症病棟に入院し一般の患者とは隔離した状態で、抗結核剤を投与し、安静を保ちながら感染像の縮小を待ちます。完全に感染像が消失したら、体力の回復を待って退院となります。最近では強力な抗結核剤が開発されていて、肺結核や脊椎カリエスで死亡する例は体力の弱い高齢者などごく少数のみです。この病気の基本的な治療法は抗結核剤投与による保存的な治療ですが、脊椎への侵襲が強く、脊柱管にまで達しそうな場合には外科手術を行ない病巣の摘出を行ないます。

脊椎カリエスと整体

結核菌の感染経路は「空気感染」「飛沫感染」「接触感染」ですから、脊椎カリエスと診断された患者は治癒するまで他人との接触が制限されます。したがって脊椎カリエスに対して整体で出来ることはありません。ただし、予後を良くするために完全に感染像が消失し、整形外科の方から「治癒」の診断を得た場合には体力の回復を目的として整体を活用するのは十分な効果が期待出来ます。 脊椎カリエスの治療中はギプスベットなどで安静を保つため、脊椎周辺の筋肉が硬直し、血流が悪くなっているケースが多く、そのままではぎっくり腰や脊椎すべり症を起こしやすくなっています。また脊椎カリエス初期の段階では椎間板が感染によって薄くなるため変形性腰椎症と同様の症状を来すので、腰痛リスクが上昇しています。

こうした腰痛リスクに対してマッサージ、鍼灸、柔道整復、指圧、ストレッチなどの整体は十分な効果があると言えるでしょう。ただし感染部の骨にはダメージが残っている可能性が高いため、周囲の筋肉に対してのアプローチが主体となります。


著者紹介 シュギjp編集部さん

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