感染症

コラム 腰痛

感染症

感染症にかかって発熱すると、体中の節々が痛くなり腰痛を覚えるケースがあります。では、どうして発熱すると腰痛になるのでしょうか?そのメカニズムを解明していきましょう。

発熱のメカニズム

まず、ウィルスに感染すると感染部位に炎症を起こしはじめ免疫機能が働きだします。この時、まずは白血球などのマクロファージと呼ばれるものが無作為に体内に侵入してきた異物を攻撃しはじめます。膿みの色が乳白色をしているのは異物やウィルスと戦った後の白血球の死骸の色です。その名の通り白血球の色は白い(厳密には乳白色)をしているんですね。 マクロファージは異物を攻撃する時にサイトカインという発熱性物質を放出します。

これが感染症にかかると発熱するメカニズムになります。何故マクロファージがサイトカインを放出するのかについての原因は判明していませんが、ウィルスの多くは熱に弱く、体内でウィルスの増殖を抑制するための防御反応の一つだと考えられています。かつては発熱は感染を示す病態の一つと考えられていたため、微熱でも出来るだけ早い段階で消炎鎮痛剤を投与して解熱させることを優先させていましたが、最近では微熱程度なら却って解熱剤を投与しない方が治りが早いということが判明しています。

発熱と関節痛の因果関係

では、続いて発熱と関節痛の因果関係を紐解いていきましょう。サイトカインが血液内に放出されると脳に伝わり、脳では生理活性物質と呼ばれる物質を放出するように指令が出されます。生理活性物質とはプロスタグランジンやブラジキニンなど血管を拡張する作用がある物質のことで、免疫細胞は血液にのって感染部位まで運ばれるため、より効果的に免疫細胞を運搬させるために血管を拡張させる物質が分泌されることになります。生理活性物質が放出され、急激に血管が拡張すると神経に触れ痛みを感じることになります。指先など末端の関節部は特に細かく神経が張り巡らされ敏感な部位ですので痛みを感じやすくなるのです。この生理活性物質による痛みのメカニズムは偏頭痛などにも見られるのと同様のメカニズムになります。

感染症で腰痛になる理由

ここからが本題の感染症と腰痛の関連性の説明になります。感染症から関節痛が起こるまでのプロセスは上記に説明した通りです。脊椎も関節で大きな神経が通っているところですから、痛みを感じやすい部位と言えますね。とりわけ腰は日頃から疲労物質が溜まりやすく、炎症が起こりやすい部位ですから、感染症に対する免疫反応が起こった時のちょっとした刺激で痛みを感じやすくなっているのです。また、脊椎カリエスのように脊椎に感染症が起こる場合も腰部は血流が鬱滞しやすい部位ですから、炎症像が大きくなりやすく腰痛になりやすいと言えるのです。

感染症と整体

感染症にかかった場合はウィルスの拡散を防ぐために基本的には外部との接触を最小限にとどめておく必要性があります。したがって、感染症にかかって腰痛を訴えている場合も、感染症が完治するまでは整体を受けることはNGです。感染症が完治してダメージによる腰痛が持続している場合には整体は腰痛の回復と再発予防に効果的でしょう。この時の整体の手技に関しては骨や関節にダメージが残っていなければカイロプラクティックや柔道整復を含めあらゆる選択肢から選択可能です。感染症が直接的な原因となる腰痛の場合、感染症が完治すればサイトカインや生理活性物質の産生量も通常の値に戻ることで症状も改善します。したがって感染症後の腰痛の場合は筋肉痛や血流障害による筋性腰痛である可能性が最も高くなります。


著者紹介 シュギjp編集部さん

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